2010/06/28

スプリット工房


いいですねぇぇぇ、まさにその通り!スプリットボードのメリットはここで挙げたらキリがないんですけどね(語り合いたい人は連絡ください

スプリットボードだとセレクションがねぇぇ、、、とか乗りたい板じゃないしなあとか、しまいには日本のフィールドで必要???みたいなオピニオンもあるのも事実

そんな中、北米の人々はその昔から自分で乗りたい板をノコギリでぎこぎこカットして、VOILEのキットをくっつけては遊んでいたんですねぇ

しかし、いくら日曜大工の得意で立派なガレージを持つ北米人がカットしても色々な不具合が出て来るわけですね(インナーエッジとか、バートンの穴問題とか、、、)

そうこうしているうちに有能でスノーボード好きのエンジニアさんたちが参入!


ユタ州のPark CityにはDTMという個人経営のカスタムスプリットボードをものすごい精度にて提供するサービスが少し前からあります

ここは北米では長蛇の列ができるほどの売れ行き!そりゃあそうだ、精度が違います!あのTravis RiceやJeremy Jones(今は自分のブランド)もプロライダー御用達でカットしまくっていたのですから!

Down The Middle (DTM)の詳細はこちら

でもユタまで行ってられませんよね、そこで我が日本にもいるんですよぉー

エンジニアで山岳ガイドで山岳スキーレーサーでマニアなこの方が満を持してカットを始めました

松原慎一郎氏

この方は白馬に住み、板舎(ばんや)という工房を営んでいます

まあ作っているスキーのラインナップを見てもらえばこの人、ただ者ではないのは一目瞭然!

何なんすかコレ???でもチョー気になる!とにかく、この人とこの工房は要チェックっす!!!



2010/06/23

Johan Olofsson


ビッグマウンテンライディングを語る上でレジェンド中のレジェンドと言えば、最近Venture Snowboardsにテストライダーとして加わったスウェーデン産のJohan Oloffsonでしょ!(これは何げに凄い事だなあ、、、)

いやぁ、この人何が凄いって、まあ一言で言えば早く生まれすぎたんでしょう、、、


この伝説とも言える1996年TB5におけるセグメントでのライディングはもはや今観ても何ら見劣りしないどころか、早ぇぇぇぇぇえぇえええええええぇ、、、、、



3:06〜3:40は必見!!!

40°越えの約1000mはあろうかという急斜面をわずか35秒という、ギネスものの時速50マイルで滑り降りたのでした

彼はBurtonにいた頃から超別格な滑りをみせていて、今やビッグマウンテンにフリースタイルを持ち込んでいるのは日常茶飯事だけど、そりゃあ当時時速40マイルでクリフに突っ込み180°を決めて涼しい顔をしてるのはJohanくらいなもんでしたよぉ

今をときめくJones SnowboardsのJonaven Mooreは「おれのアイドルはJohanだぁ〜」と豪語していますし、Travis RiceやGigi Ruffがハイスクールに通っていた頃にはJohanという名前はビッグマウンテンの代名詞でしたからねぇぇ

一時は怪我などもあってシーンから遠ざかっていたけど、復活してからはNo Boardやったり以前のような獰猛な滑りをみせてくれていますね(よかったよかった)

そんなJohanがVentureとコラボすることになったのは、TGRの撮影で彼のセカンドホームでもあるAK(アラスカ)でもリモート中のリモートであるグレイシャーベイ国立公園に行く時にVenture SnowboardsがStorm-R Splitを送ったらしく、それをえらーく気に入ったのがキッカケだったとか、、、
常にスポーツの進化を支えて来たJohanの今後の活躍とVentureとのコラボから目が離せないっすねぇ

2010/06/21

天国の稜線歩き


谷川岳といえば一ノ倉に代表される、東面岩峰群の印象が強い山ですが、、、それだけではありません

この時期、尾瀬と谷川連邦のごく一部に咲くホソバヒナウスユキソウで〜す(ここは谷川稜線の笹平付近)

ミヤマウスユキソウが変種したもので、蛇紋岩地帯の崩壊地や風衝草原に特産するらしいですね

他にも、たくさんのお花畑に囲まれゲストもご満悦!!!


花の百名山でもある蓬峠に泊まり、お天気が心配でしたがいい山行になりましたー

蓬峠(上)と蓬ヒュッテご主人の高波さん(下)

もちろんお花だけではありません、、、

流雲(上)と一ノ倉からノゾキにかけての稜線(下)

オキの耳から先は登山者で溢れていましたね〜、、、さすが日曜日の百名山!

2010/06/16

Chris Davenport


Chris Davenportはコロラド州アスペン出身、輝かしいビッグマウンテンスキーの実績を持ち、さらに最近では1シーズンでコロラド州にある14ers(=14,000ft/約4267m)54座すべてを登攀滑降したことで有名?だ

コロラド州ディロンの山屋にの出版記念として来ていたChrisが書いてくれた言葉は「お前もスノーボーダーとして14ers全部滑っちゃいなよ」だった(最近Jarrett Luttrellがスノーボーダーとして初めて全て滑ったようだ)

その折、シンプルに「どこが一番難しかったですか?」と訊ねてみたら、、、

躊躇なく答えたのはCapital Peakだった

Neal BeidlemanとChrisはCapitol Peak南壁に新ルートを拓く

Capitol Peakは1988年にKnife Edge RidgeをLou Dawsonによって滑られただけだった

Chris曰く、「今までで一番シビレたラインで、何も言えねぇ、、、」という

この直前にとてつもないルートを滑っているChrisだったが、このCapitalに関しては滑降後に放心状態になったという

Pyramid Peak Landry Route (no downclimb finish)

そのとてつもないルートとは、30年ぶりの再滑降である東壁Landry Route、コンプリートではファーストディセントであるが、Chrisに言わせると全局面でCapitalはさらに圧倒されたという、、、

Knife Edge Ridge

悪そう、、、

核心部分の話になると、最初にあげたのは、やはりミスの許されないKnife Edge Ridgeで通過に1時間を要しており、頂稜に出たのがお昼前だったという

さらに夏のノーマルルートと別れ、南北の壁を分ける際どい際どいリッジクライムを強いられたようだ

そしてついに頂上へ、、、しかしここからが本番だ


しかし、Chrisは根っからのスキーヤーで頂上でスキーを履いた時、前途多難な滑降を前にひとまずホッとしたらしい(わかるなぁぁぁ)


ラインはルートファインディングが明確ではなくミスは決して許されない、、、

最初は60°のフェイススキー、、、もちろんNo Fall Zoneだ

そして迷路のようなロックバンドをトラバース、さらにリッジを越え、ついにThe Point of No Returnに入り、、、最後の最後までシビレっぱなしのルートだったようで
 
彼らはこの滑降を誰より楽しんだであろうDoug Coombsに捧ぐという

ご存知のように、その後もChrisの快進撃は止まりませんなあぁ

2010/06/15

Unskied Line

 The Otter Body: Grand Teton

Grand Teton(標高:4200m)のOtter Bodyは1971年にBill Briggsによって初滑降されたGrandのルートよりさらにハードコアなルート、、、というかクライミングルートでしょ!

96年春、Doug CoombsMark Newcombは数回にわたる懸垂下降を交え、Otter Bodyを滑り???降りてしまったのでした

ジャクソンのローカルたちは当時このラインに魅せられ、数名がこの初滑降の栄冠を狙っていたらしいっす

Coombsらは約5年間待ち続けた末の滑降で、、、しかもその2日後には滑降不能になったという何とも気難しいラインだったのね

バンフマウンテンフィルムにも登場したThe Otter Body Experienceをぜひご覧あれ!!!

こちら1997年のAmerican Alpine Journalにも詳しい記事が載ってるので興味あらばぜひ

山頂から核心部付近

ルートは山頂から東面へ落ち込み、Coombs好みの55°はあろう狭〜いロックバンドをラペルし、Otter Body Snowfieldへ抜け、さらにさらに巨大なクリフをやり過ごさねばならぬクレイジーなラインなのです

NewcombとRick Armstrongは口を揃えて、「今のフリーライダーは俺たちよりジャンプも上手いし、体力があり、道具も進化してるから、条件さえ合えばいつかはラペルなしでコンプリートするだろう」と言っていますが、、、いつの日になることやら

ちなみにGrand Tetonはどのラインもエイドなしでコンプリート滑降された事はないのです!!! こちらも課題のうちのひとつ☟

 The Ford-Chevy-Stettner route

いやぁ、今年の春に日本の至宝であられる、Giri Giri BoysがDenali Diamondをコンプリートフリー化したように、近い将来ローカルの誰かがやるんじゃないのかなぁ、、、

うーん、危ないのう

2010/06/11

虹芝寮


成蹊学園の山小屋「虹芝寮(こうしりょう)」をご存知でしょうか?

成蹊学園は "桃李もの言わざれども、下おのづから蹊を成す" を教育理念としたんですが、

自分を磨いて美しい人格をつくれば、その人はたとえ何も言わなくとも、自ら世間に認められるようになるという、司馬遷が「李将軍列伝」(史記)において引用した諺「桃李不言下自成蹊」から来ています

虹芝寮も「全唐詩」の一説から命名したものらしいですね

1932年に建立されたこの小屋は、谷川岳の芝倉沢の近くにあり、これまで数多くの登山家や研究者を育てました

再建後は成蹊大学山岳部OB「踏高会」のメンバーを中心に現役の学生らで管理にあたっています

今でもとってもきれいな山小屋なのです♬

そこで生み出された成蹊大学山岳部の虹芝寮寮歌「山の友によせて」は今でも当時を懐かしむお父さん方によって口ずさまれているようです(微笑ましいですねぇ)

正直、いい詩なのでぜひ、、、

(1) 薪割り 飯炊き 小屋掃除
     みんなで みんなで やったっけ
   雪解け水が冷たくて
     苦労したことあったっけ
   今では遠く みんな去り
     友をしのんで 仰ぐ空
 
(2) 幕営 グリセード 岩登り
                みんなで みんなで やったっけ
       ルンゼで雨に叩かれて
                苦労したことあったっけ
       今では遠く みんな去り
                友に便りの 筆をとる

(3) 前傾 外傾 全制動
                みんなで みんなで やったっけ
       雪が深くて ラッセルに
                苦労したことあったっけ
       今では遠く みんな去り
                友の写真に 眺め入る

(4) 落葉松萌(モ)ゆる 春山に
                みんなで みんなで やったっけ
       思わぬ雪に ワカン履き
      苦労したことあったっけ
       今では遠く みんな去り
                山よお前は わが心

ちなみにワタシは成蹊大学OBでもあります

奇岩怪石


その昔、山岳信仰で賑わった西上州の妙義山

登山キャリアを脅かすほどの大怪我から劇的復帰した屈強なゲストは、「ルート内のクサリ、ハシゴすべて使わずにフリーで登り降りしてみませんか?」という無茶ぶりにふたつ返事でOK

国民宿舎から裏妙義縦走と表妙義金洞山から鷹戻し縦走というルート







最初はキャーキャー言っていた丁須の頭も難なくクリア


こんな脅しにも動じません、、、(実際危ないので気をつけましょう)

そして、2日目は妙義最難と言われる中之岳神社〜鷹戻し

 
中之岳神社

ルンゼ内2段25mのクサリ場(左)と中之岳への登り(右)

中之岳を過ぎ、東岳を越えるとルンゼ内2段25mのクサリ場!最初のクサリ場はメインの鷹戻しより悪いものの、何とかノーテンションで突破!するゲスト(うーん、いいですね〜)

鷹戻しからの急下降を経て、鷹戻しのクサリとハシゴの50mも懸垂で難なくクリア !


茨尾根のピークから金洞山(左から鷹戻し、西岳、星穴岳)
 
いやあ2日間、よ〜く頑張りましたねぇ〜(しみじみ)

つぎは高岩雌岳P2かなぁ???

2010/06/08

素敵なふたり


Dean Potterはご存知?

主にPatagoniaやYosemiteで活動し、 数々のフリーソロ、スピードアッセント、スラックライン、さらにベースジャンプで名を馳せているスーパークライマーですが、

2006年のこのデリケートアーチ(アーチーズ国立公園内)をクライミングした事でユタ州民の怒りを買い(ユタ州のナンバープレートにもなるくらいのモニュメントなのです)、さらにパタゴニアのスポンサーシップも剥奪されてしまいました(涙)


 ディーン曰く、「おれは神聖なモニュメントバレーのトーテムポールは登らないよ、でもデリケートアーチはいいだろ?」と発言してしまいます(ユタ州民激怒!)


 こちらがモニュメントバレーの象徴、トーテムポール!映画アイガーサンクションのクリントイーストウッドでおなじみです

確かにどちらも観光客の絶えない自然遺産ですが、、、

奥様のSteph Davisもとんでもないクライマーで、コロラドLongs Peak東壁Diamondのフリーソロなんて朝飯前らしいっす



著書の「High Infatuation」もかなり面白いです

この素敵なふたり、いろいろ賛否両論あるけど、これからもずっと活躍して欲しいものです

2010/06/06

アルテソンラフ南東壁

パタゴニアのスキーアンバサダー、Arne Backstromが撮影のため向かったペルー、ブランカ山群のアルテソンラフ(5999m)で遭難したニュースが舞い込んできました、、、






Arne BackstromはフリースキーではMcConkey Cup優勝、そして'09/10ワールドツアーチャンピオンにも輝いた一方、シャモニでもミディのMallory Couloirモンブラン西壁を滑降するなど山岳滑降でも実績を積み重ねていたアップカマーで、、、わずか29歳の若さでした

モンブラン西壁
ミディ マロリークーロワール

アルテソンラフ南東壁は誰もが目を引く美しいフェイスですよねぇ

パラマウント映画のロゴはまさにアルテソンラフをイメージした???

南東壁にはフェイスルートD+, 800m, 45-55°とTD+のバットレスルートがあります


R.I.P.